東洋医学に全く馴染みのない方を対象にまとめてみました
専門的には多分に語弊がありますので、知識者の方は御理解をお願い致します


経絡治療の治療理論



一言で言ってしまえば、
全身を巡る、あるいは存在する『気』の状態を整備して、
『気』の流れを正常化する事によって、病気を治してゆきます。

目に見えないもの、概念だけの医学ですので、慣れて、その世界に入り込まないと理解が難しいと思います





古代中国では、目に見えない物を「気」と呼びました。
「気体」「空気」「元気」など、
「気」と付くものが目に見えないのはこれに起因します。

人体に於ける『気』とは、
簡単に解釈すれば『生命活動エネルギー』と思ってよいと思います。
西洋医学的に相応されれば、
熱エネルギー(カロリー)=活動エネルギーと考えると解り易いでしょう。

広義に『気』と言いますが、気・血・津液・衛気・栄気等を総して言っています。

東洋医学では  
気=血の運搬役
(けつ)=栄養分本体
(「血(ち)」ではありません)
津液=体を満たしている水分
と、して考えます。

これらは全て概念で、目には見えないものとされています。



陰陽

ある事象に対して、相反する作用を司る「気」と考えて良いでしょう。
陽 気 ⇔ 陰 気
温める⇔冷やす
昇る⇔下る
出る⇔入る
等、です

この、陰の作用、陽の作用を調整し
例えば
「熱があれば陰を補って冷まし」、「冷えには陽を補って温める」
と、考えれば良いと思います



五蔵(五行)

万物を項目ごとに5つに分類し「木・火・土・金・水」に当てはめて、
その関係を理論付けています。

「五蔵六府」と云う単語は聞いた事がある方も多いと思いますが、
この「肝・心・脾・肺・腎」の「五蔵」がまさにこれに属します

「血(けつ)」を貯えます
「気・血・津液」を巡らせています
「気・血・津液」を生産しています
「気」を巡らせています
「津液」を貯えています

「気(気・血・津液)」と、「五蔵」に
関係が有る事を理解いただけるかと思います。



「気」と「陰陽」と「五行」

「気(気・血・津液)」と、「五蔵」には深い関係があります。
そしてまた、五蔵は「陰」に属しています。
詳しくは省きますが、「気・血・津液」にも「陰・陽」が有ります

これらが、切っても切れない関係を持ち、
均衡を保つ事に拠って、正常な生命活動を維持しているのです。



「経絡」と「経穴(ツボ)」
                                
「蔵」には、その蔵の気が流れる「経絡」が繋がっています。
各蔵の「経絡」は、順次繋がっていて、
全ての「経絡」が一本に繋がっています。

又、最後が最初に連なっていますので
一つの環状を成す形で、全身をくまなく巡回しています。

その経絡上の重要なポイントが「経穴」です。
例えるならば、経絡は線路、経穴が駅といったところでしょうか?

「気・血・津液」の変動は、「経絡」「経穴」に反応を現します



「経絡・経穴(ツボ)」と「気」

「経絡」に従って、「気」が流れると理解してください。

「経穴」は、「気」の変動が現れ易いところなのです。



なぜ鍼が効くのか?

経絡治療家は、その独特の診断技術により
現れている症状は、
何蔵の気(気・血・津液)が、どのように変動しているかを判断します。

そして、その変動が現れている「経絡」「経穴(ツボ)」を選び、
その刺鍼技術を以って、その変動を修正するのです。

結果、気の流れが整えられる事に拠り、
出現している症状を緩和させ、治癒に導くのです。
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